APAMAN<8889>、MBOで株式を非公開化
APAMANは2日、経営陣による買収(MBO)で株式を非公開化することを発表しました。大村浩次社長が代表を務める買収目的会社ASN(東京都港区)が、株式公開買い付け(TOB)を実施します。買付代金は最大約133億7900万円です。少子高齢化や人口減少により国内賃貸不動産市場の競争が激化する中、非公開化により経営の自由度を高め、中長期的な事業構造改革を進めることが目的です。
TOBが成立した場合、中核子会社であるApaman Property(東京都千代田区)が手がけるアパート・マンションの賃貸管理やサブリース事業を、国内投資ファンドの日本産業推進機構(東京都港区)に約270億円で譲渡します。これにより、APAMANは主力事業である賃貸住宅仲介「アパマンショップ」のフランチャイズチェーン(FC)本部統括機能や、デジタル変革(DX)によるFC加盟店の品質向上に経営資源を集中させます。
ASNによる買付価格は1株につき729円で、TOB公表前日の終値514円に対して41.83%のプレミアムが加えられています。APAMANはTOBに賛同し、株主に応募を推奨しています。TOBが成立すれば、東証スタンダード市場への上場は廃止されます。
買付予定数は1835万3543株で、下限は所有割合65.01%に相当する1193万1400株です。大村氏と親族の資産管理会社で筆頭株主のOHMURA(東京都千代田区)など3者が所有する計32.71%の株式はTOBへの応募が決まっており、応募合意・意向表明株主が所有割合にして計29.9%です。
買付期間は8月5日から9月17日までの30営業日で、決済の開始日は9月25日です。公開買付代理人はみずほ証券で、復代理人は楽天証券です。
APAMANは1999年に不動産賃貸店舗をフランチャイズチェーン化することを目的に、アパマンショップネットワークとして設立されました。2006年に持ち株会社制へ移行し、アパマンショップホールディングスに社名を変更。2018年に現社名に改めました。2001年にナスダック・ジャパン市場に上場し、ジャスダックを経て、2022年4月に東証スタンダード市場に移行しました。
2024年3月末時点での賃貸管理戸数は8万8246戸、社宅斡旋提携社数は3486社、全国で展開する賃貸住宅仲介店舗「アパマンショップ」は1000店舗を超えています(直営店舗72店舗を含む)。