JTOWER<4485>、米投資会社デジタルブリッジグループによるTOBを受け入れて株式を非公開化
JTOWERは14日、米国フロリダ州に拠点を置く投資会社デジタルブリッジグループによるTOB(株式公開買い付け)を受け入れ、株式を非公開化することを発表しました。デジタルブリッジは最大757億円を投じてJTOWERの約82%の株式を取得する予定です。JTOWERは、携帯キャリア各社の屋内通信設備を共用・一本化するインフラシェアリング事業を主力としています。今後、この事業の成長スピードをさらに加速させるため、短期的な業績や株価変動に左右されない経営体制が必要と判断されました。
TOB成立後の株主構成は、デジタルブリッジが81.82%、JTOWER社長の田中敦史氏が運営する資産管理会社カルティブ(東京都港区)が18.18%を保有する予定です。
デジタルブリッジグループは、通信タワー、データセンター、光ファイバーなどのデジタルインフラに特化した投資会社として知られており、今回のTOBは同社傘下のディービーピラミッドホールディングスエルエルシーが主体となっています。
JTOWER株の買付価格は1株あたり3600円で、TOB公表前日の終値である1375円に161.82%のプレミアムが加えられています。買付予定数は2105万5142株で、下限は所有割合48.49%に相当する1247万7600株です。買付期間は8月15日から10月10日までの39営業日で、決済の開始日は10月18日を予定しています。公開買付の代理人はみずほ証券が務めます。
JTOWERの田中社長(所有割合7.08%)、第2位株主のNTT(16.35%)、および第10位株主のNTTドコモ(2.15%)の3者は、所有する合計25.58%の株式をTOBに応募することを決定しています。
JTOWERは今回のTOBに賛同し、株主にも応募を推奨しています。TOBが成立した場合、JTOWERは東証グロース市場から上場廃止となる予定です。
JTOWERは2012年に設立され、2019年に東証マザーズ市場に上場、2022年4月には東証グロース市場へ移行しました。同社の主力事業であるインフラシェアリング事業は、携帯キャリア各社が個別に行ってきた屋内施設(商業施設、オフィスビルなど)内の基地局関連インフラを、独自に開発した共用設備を用いて一本化するサービスです。これにより、携帯キャリア各社は設備投資および運用費用を軽減できます。また、同社は屋外の基地局で使用されるタワーの共用サービスも手がけています。