米ブラックストーン、「めちゃコミ」運営のインフォコム<4348>をTOBで上場廃止
米国の大手投資ファンド、ブラックストーンは、傘下の投資ファンドであるビー・エックス・ジェイ・シー・ワン・ホールディングを通じて、電子マンガ配信サイト「めちゃコミ」を運営するインフォコムに対してTOB(株式公開買い付け)を行うことを発表しました。この発表は、インフォコムが6月18日に行ったものです。インフォコムはこのTOBに賛同し、株主に応募を推奨しています。
ブラックストーンは、電子マンガが急成長しているデジタルコンテンツであり、収益が安定している点を評価しています。また、日本市場だけでなく、国際市場でも高い競争力を持っていると見ています。TOB後は、インフォコムの企業価値を高め、再上場によって収益を確保する方針です。
一方、インフォコムの親会社である帝人は、自動車部品事業の伸び悩みや医薬品事業の主力製品の特許切れによる業績低迷に直面しています。そのため、主力事業とは関係のない電子マンガを主力とするインフォコムを売却し、その売却益をアラミド繊維などの主力製品の強化に充てる「選択と集中」を決断しました。
買付価格は1株当たり6060円で、公表前の終値5740円に対して5.57%のプレミアムが付けられています。買付予定数は2333万1718株で、下限は503万6700株となります。応募が下限に満たない場合は買い付けは行いません。買付代金は約1413億9000万円で、買付期間は2024年6月19日から7月31日までの30営業日です。決済の開始日は2024年8月7日で、公開買付代理人はみずほ証券です。
インフォコム株の約58%を保有する帝人は、TOBには応募せず、インフォコムが実施する自社株買いに応じて1株当たり4231円で保有する全株式を売却する予定です。最終的な売却総額は約2758億円となる見込みです。