キリンホールディングス<2303>、健康食品・化粧品のファンケル<4921>をTOBで子会社化

キリンホールディングスは14日、健康食品や化粧品を手がけるファンケルを完全子会社化するためにTOB(株式公開買い付け)を実施すると発表しました。買収金額は最大2207億円に達します。キリンは2019年にファンケルの約33%を取得し、持ち分法適用関連会社としていました。ビール市場の成長が鈍化する中、キリンは成長が続く健康食品分野を強化しようとしています。酒類・飲料や医薬品に続く第3の柱として、ヘルスサイエンス分野を育成中で、健康食品をその中心に位置付けています。昨年8月にはオーストラリアの健康食品大手ブラックモアを約1690億円で買収しました。

ファンケル株の買付価格は1株あたり2690円で、TOB公表前日の終値1884.5円に42.74%のプレミアムを加えた価格です。ファンケルはTOBに賛同し、株主に応募を推奨しました。TOBが成功すれば、ファンケルは東証プライム市場から上場廃止となります。

買付予定数は8205万1400株で、最低でも所有割合33.82%にあたる4111万7700株を買い取る予定です。買付期間は6月17日から7月29日の30営業日で、決済開始日は2024年8月5日です。公開買付の代理人は野村証券です。

キリンは2019年にファンケルとの資本・業務提携を進め、創業者の池森賢二会長(現名誉相談役ファウンダー)らから約33%の株式を1293億円で取得し、筆頭株主となりました。これにより、生活習慣病対策のサプリメントやアンチエイジング関連のスキンケア商品の開発などで協力を進めてきました。

ファンケルは1980年に池森氏が個人で創業し、化粧品の通信販売を始めました。1981年にジャパンファインケミカル販売を設立し、1982年に現在のファンケルに社名を変更しました。1998年に株式を店頭登録し、1999年に東証1部に上場(2022年4月に東証プライム市場に移行)しました。