ヒューリック<3003>、香港投資ファンド傘下で投資用不動産販売のレーサム<8890>をTOBなどで子会社化

ヒューリックは13日、投資用不動産を手掛けるレーサムを買収することを発表しました。TOB(株式公開買付け)を通じて約36%の株式を取得し、その後、レーサムの親会社である香港の投資ファンド、オアシス・マネジメントが保有する約64%の株式を買い取り、レーサムを完全子会社化する計画です。この買収により、ヒューリックは新たな不動産ビジネスモデルを取り入れ、東京都心を中心とした事務所ビル賃貸事業の拡大を図る予定です。買収総額は約1735億円にのぼり、これはヒューリックにとって過去最大のM&Aとなります。

レーサム株の買付価格は1株当たり5913円で、TOB公表前日の終値3060円に対して93.24%のプレミアムが付与されています。買付予定数は1038万2556株で、最低買付数は80万300株(所有割合2.78%)に設定されており、オアシス・マネジメントの保有分63.88%と合わせて、TOBにより3分の2超を取得する計画です。買付代金の最大額は613億9200万円となります。

買付期間は9月17日から10月30日までの30営業日間で、決済は11月7日から開始されます。TOBの公開買付代理人はみずほ証券が担当します。レーサムは、このTOBに賛同し、株主に応募を推奨することを決定しました。

ヒューリックはTOB成立後、オアシス・マネジメントが保有するレーサム株式(約1086億円相当)と関連債権を約1120億円で取得する予定です。

なお、オアシス・マネジメントは2022年にレーサムに対してTOBを実施し、同社創業者で元会長の資産管理会社が所有していた株式を取得してレーサムを子会社化していました。

レーサムは1992年に「レーサムリサーチ」として設立され、収益不動産を活用した資産運用を主な事業としています。2008年に現社名に変更し、2001年には株式を店頭公開、その後ジャスダックに上場し、2022年4月には東証スタンダード市場に移行しました。